2014/05/12

鈍感力の悪例 〜ニセコイ18話〜

 正直言って、ニセコイ18話は退屈な回だった。その1番の原因は明らかに、小咲の「キスしてもいい……?」の処理。あの場には小咲の他に楽と千棘の2人がいたわけだけれど、楽は居眠りで、千棘は(彼女にはありがちな、かなり強引な)空耳で、この重要な台詞を聞き逃したのよね。

 しかし、あれは良くなかったんじゃないかなあと思うわ。大事なところで常軌を逸した鈍感力を発揮するのはラブコメの常法だけれど、あのタイミングでこれをやったことで、キスという強烈なモチーフによって急激に出来つつあった緊張感が台無しになってしまった。

 やっぱりさ、ラブコメにおいてキスというモチーフは大事だと思うのね。その言葉一つで「引き」を作れるほどの重みを持っているわけよ。実際今回だって、それを引きに使ってCM入れてるわけだし。それを鈍感力(それも2人同時)で軽く流すというのは、裏切り行為だわよ。

 例えばあそこで楽も千棘も聞き逃さなかったとしたら、「楽も千棘も、小咲の想いに気付いていない」というストーリー上の要衝が落ちるわけで、クライマックスに向けて一気にスピードアップすることができていたはず。その芽をみすみす鈍感力で潰してしまったのは非常に勿体無かった。ああいうところは、やっぱり一気に攻めるべきだと思うわ。

 ちなみに、今回は最後の楽と千棘のくだりも冗長だったと思う。あんなもんは千棘のセンシティブな質問の瞬間だけ引っ張って、最後に悲しげな表情でも撮っときゃいいのに。あんなに引っ張られると千棘が面倒な子に見えてしまうわ。

 と、散々に言ってしまったけれど、ニセコイも残すところ2話しかないのよねえ。これできちんとクライマックスに持っていけるのかしら……せっかく出したマリーも使い切れてないし……まあ期待はしてますよ。頼みますよー。

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